40年の追求の結論

私は過去40年間社会福祉学の学にこだわって,そのパラダイムを追及してきた.

 社会福祉学とは平たく言えば,「良い社会」の追及であうが,自由主義の立場に立てば,消極的ではあるが,最低限,いかに安心して暮らせるかの社会的条件を築くことであろう. 人生途上には天災,人災,戦災などさまざまな災害がある.純粋の天災は少なくなんらかの程度人災の要素を持つ.社会的問題は人災の範囲に入るであろうが,経済的貧困はその原点と言ってよいであろう.戦災は別格の大きな人災であろう.生命と人生は悦びの容器でもあり,悲しみの容器でもある.悲しみを減らし悦びを殖やすのが目標と言ってよいであろうか社会福祉学を理念的普遍的に見れば上記のようなものであろうが,歴史的現実的に見れば,現代社会福祉学の守備範囲は一応ソーシャル・ポリシーとソーシャルワークの範囲ということであった.近著『社会福祉学汎論』ではそのことを総括的に述べた.両者の根本はその社会改良的姿勢にある.このホームページでも,『社会福祉学汎論』の一部,序章,第六章 A「福祉国家」から「福祉世界」へ,第六章 B 同上英文、第九章社会福祉とイデオロギー、及び終章の全文を掲載してある. 3Wのこの発想のミソは社会福祉学の方からの提言ということである.環境問題,平和問題のそれぞれからの発言は多くあり,他への言及はあるがこの三つを纏めて同時にアタックという発言は案外少ない.